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事務所だより 令和5年12月号(2023/12/1)
宝塚歌劇団のいじめ自殺疑惑が報じられています。この事件にともない劇団に管轄の労働基準監督署が立ち入り調査をしたとの続報がありました。ここで僕は、劇団員って労働者?という疑問を感じました。記事を見ると団員には、フリーランス扱いで委託契約になっている人と、雇用契約(対象者は入団5年以内の新人)の2種類があると書いてありました。自殺した方は前者の委託契約だったとのこと。契約だけで言えば、労働者ではないため労働基準法の適用はないということになります。悲しい事件ではありますが、プロの芸能タレントが法的保護に値するのかという点が難しい事案です。
また似通ったケースで、コンビニ店長らが苛酷な労働を強いるコンビニ本部を提訴するという事件がありました。こちらは7月に店長は労働者には当たらないという最高裁判決が出ています。つまり自己責任ということでしょう。
この2つのニュースの核心は、どの立場までが、社会的弱者と言えるのかという点だと思います。労働基準法は労働者保護の法律と言われますが、それは労働者が一般的に資本家より弱者であるという歴史があるからです。タレントもコンビニ経営も成功すれば、一般庶民よりはかなりの高収入が望める職業と言えます。半面それまでの道はある程度険しくとも仕方がないように思え、モヤモヤしてしまいます。