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事務所だより 令和5年5月号(2023/5/6)
『お客様は神様ではありません』とハッキリと書いた広告が話題になっていました。会社名まではわかりませんが、地方のバス会社が地元の新聞に掲載したとのことです。それは意見広告のような体裁のもので、顧客の度を越したわがままな振る舞いが、社員にとって大きな負担になっていることが長文で書かれていました。このようなカスタマーハラスメントの問題もセクハラやパワハラのように徐々に世の中に認知されてきました。
売り手と買い手では、確かに売る側が買う側をたてるのが基本的なマナーだと思います。ただ諸外国においては必ずしもそうではなく、日本の接客態度は高く評価されているものの、少し特別なようです。いわゆる“おもてなし”の文化です。ただ誰にもわかることですが、物を買うのは、自分にとって、その物の価値が払う金額に見合うと判断したからです。
ですから全く無関係とは言いませんが、商談の際の接客態度の良し悪しはそれほど重要なことでもないはずです。顧客が、謝罪する店員に土下座を要求するなどは論外ですが、過度に横柄な態度をとられたら、売る側にとって相当なストレスになるでしょう。
ハラスメント問題には共通することですが、放置しておけばやがては社員の退職にまで発展する可能性が大です。上記の意見広告では会社ははっきりと、社員を守るためには乗車をお断りすると宣言していました。常識のある顧客ならば、このような内容の広告を見ても、決して離れていくことはないでしょう。