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事務所だより 令和5年6月号(2023/6/1)
円安や原材料価格の高騰を背景に、物価上昇が急速に進んでいます。これは見方を変えれば実質賃金が低下することと同義です。このような情勢を受け、昨年辺りから『インフレ手当』の話題を聞くことが増えてきました。日本では賃金水準がなかなか上がらない反面、社会保険料等が毎年上昇していますので、労働者の生活は厳しくなっています。経営側が何らかの生活支援策を打つことは大いに歓迎されることでしょう。
[データで見る支給実態]
・支給方法は一時金が6割強
・支給額は「1~3万円未満」(27.9%)、「3~5万円未満」、「5~10万円未満」(ともに約2割)、平均支給額は約53,700円
・月額手当とする場合は「3~5千円未満」、「5千~1万円未満」(ともに約3割)、平均支給額は約6,500円
なおインフレ手当は一時金の場合、社会保険制度では、賞与に準ずるものとして考えますので保険料負担が発生します。また月額手当にした場合も一定の条件で保険料の増額改定が必要になります。
インフレ手当の支給を行っている企業は全体の6.6%程だそうです。労働者の生活困窮は理解できるものの、先行き不透明な昨今の経営環境下では、なかなか支給に踏み切れないというのが経営者の本音でしょうか。