お知らせ

事務所だより 令和4年10月号(2022/10/4)

ある会社の社長さんに、雇っている外国人実習生から「こんなことなら日本に来るんじゃなかった」と、愚痴をこぼされたと聞きました。何かと思えば、日本円で給料をもらうことがどんどん損になってきたということ。最終的に給料を日本円から母国通貨に両替する彼らにとって、最近の急激な円安による為替差損は大きく、他の通貨の国で働いた方が得だと言いたいのでした。確かにここ数カ月かなり円安が進み、最近では140円台も珍しくなくなりました。それどころか150円台になるのも時間の問題だろうという声も多いようです。過去のデータを調べてみると最高値は75円台ということもあったそうですから、その頃と比べる日本円の相対的な価値(対ドル)は半減しているということですね。これまで日本円の格付けは、その経済力を背景に他国通貨より常に上位に位置してきましたが、今や着実に低下してきているようです。外国人実習生にしても、建前はともかく、これまでは実質的に安い労働力として利用してこられましたが、冒頭の話のように、これからは日本人並みかそれ以上の待遇でなければ、呼べなくなっていくことでしょう。労働力人口の減少が確実な日本にとって、非常に大きな問題です。