お知らせ

事務所だより 令和5年8月号(2023/8/1)

 今年度に入ってから“2024年問題”という言葉を耳にすることが増えました。これは数年前に話題になった働き方改革で、労働時間の上限規制が始まったのですが、それを来春から物流や建設業界にも適用することを指します。ではなぜ問題と呼ぶのかと言えば、そのことが社会に負の影響(例えば物の配達が遅れる)を及ぼすのではないかという懸念があるからです。これらの業界と医師については、長時間労働が恒常化しており、他の業界と同時に改革を始めることは困難と考えられました。それで5年の猶予が置かれたのですが、いよいよ残り期限1年を切ってきたわけです。
 じつは日本では、働き方改革前は、労働時間に限度はありませんでした。一定時間を超える労働には割増賃金を支払うというルールのみありました。これは逆に言えば、割増さえ払えば、いくらでも労働者を働かせることができたということです。その結果、過重労働を原因としたメンタル不調や過労死が増加し、社会問題化してきたわけです。 労働基準法の歴史を振り返ると、実は週休1日制だった時代も相当長いのですが、それでもあまり問題になりませんでした。やはり仕事の質が昔に比べると、より過密で目まぐるしくなったせいなのでしょうか。