お知らせ

事務所だより 令和5年9月号(2023/9/1)

 世界の色々な国の少子化問題を取材した本を読みました。読む前はこのことが大きな問題になっているのは日本だけかと思っていましたが、同じような状況の国は多いようです。韓国は、日本以上に出生率が低下しているそうです。また中国もすでに人口減社会に入っていて、今や、一人っ子政策から子だくさん推奨に180度、方針が変わってきているとのこと。しかし両国ともにかなりの学歴偏重社会のため、教育コストが非常に大きく、中流家庭での子だくさんは難しいようです。フランスでは、性的マイノリティに対する法的保護を強化して、同性婚や非婚カップルも育児がしやすくなるように注力し、一定の成果が出ているとのことでした。いかにもヨーロッパらしい(?)と感じました。

この本は、少子化が社会にとって良くないという主張をしているのかと思いきや、そうではありませんでした。少子化を食い止めるのは、より人口を増やすことと同じ意味ですが、その流れに警鐘を鳴らしていました。理由は、これまで以上に人類が増え続けると、明らかに地球環境が悪化することがわかってきたからです。またもう一点、“出産はとにかく正義”という価値観の社会では、どこまでいっても男女平等に活躍できることは困難との分析もしています。確かに女性にとって出産・育児がキャリアに及ぼす影響は、男の比ではないですからね。